−谷 あつこの 会いたい、聞きたい&食べたい−

安食雄二さん

Yuji Ajiki

あじき・ゆうじ 
1967年 埼玉生まれ。武蔵野調理師専門学校卒。東京・練馬 「ら・利す帆ん」、神奈川「鴫立亭」で 修業後、「横浜ロイヤルパークホテル」 に。96年、ベルギーの菓子コンクール 「マンダリン・ナポレオン」で日本人初優勝。
その後渡仏し、研修。98年か ら東京・目黒「モンサンクレール」のスーシェフを経て、01年、横浜市青葉 区に「デフェール」をオープン。

 
●07年4月号   
 安食雄二(上)
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金子シェフ(上) 金子シェフ(下) 辻口シェフ(上) 辻口シェフ(下) 番外編 ピエール・エルメ(上) 番外編 ピエール・エルメ(下) 番外編川村シェフ(上) 番外編川村シェフ(下)

“基本”の大切さを常に忘れずに



チーズをワインや料理とともに楽しむ人は、日本にも増えている。
それでもフランスなどに比べれば、消費量は15分の1程度らしい。普段からひんぱ んに食べ、食後にもチーズを楽しむ国に比べればまだまだだ。
ただ、さすがの彼らも、チーズの次のデザートにまで、チーズを使ったスイーツを選ぶ人 は少ないようだ。
ことチーズケーキに関しては、むしろ日本のほうが需要も人気も上。
種類だって多い。
10数年前の大ブーム以来、自由に多彩に進化し 続けたチーズケーキは、今やすっかり日本の定番スイーツとなった。

素材の性質を、深く理解する

「フロマージュ・クリュ」という名の安食シェフのレアチーズケーキ。
見 かけはオーソドックスでシンプルだが、このスイーツには、シェフ自身の“素材に対する思い”や“菓子作りのこだわり”が詰まっている。

「菓子作りに必要な基本素材は卵、 小麦粉、砂糖、乳製品。ほとんどのものがこの4つで作れますから、まずはそれぞれの素材の性質を深く理解することが大事ですね。そのうえで、きち んとした理論に基づいて構築し、形にしていく。どちらをおろそかにしても、質の高い、本当においしいものは作れないんです」

このスイーツには、デンマーク産 「ドフォー」とフランス産「キリ」の2種のクリームチーズを用いているが、繊細で、熱や酸に弱い素材に一切のダメージを与えないためにも、通常よく行われる作業工程(チーズを常温 に戻す、レモン汁を加える)をやめ、別の方法をとっている。

さらに、生クリームをベストの状態でチーズと混ぜ合わせたいと思ったシェフは、自分で さまざまな文献を調べてピアソンの数式を見つけ、その計算をもとに繰り返し試作。
ようやく完ぺきと思える味まで到達した。

自分の菓子が大きく変わった

かつて修業中にパン作りの研修を受けたことがあり、この経験も大いに役立っているという。

パン職人の仕事は、パティシェの仕事とも料理人の仕事と も違い、シンプルな材料で、毎日同じものを作り続ける。その繰り返しの作業から、自分の肌で感じ、手で覚えることのすごさを知った。

「これを機に、スポンジやシューと いった基本の生地や、卵などの身近な素材を改めて見つめ直し、自分の菓子が大きく変わったんです」

男3人兄弟のまん中で、昔から人一倍食いしん坊。おやつ作りを買って出 ながら、小学生のころにはすでに、食に関係した仕事に就こうと決めていた。
父は建築業で、兄も弟も同じ道へ。
道は一人だけ違ったが、実は菓子作りは家造りと似ているところがあ る、と安食シェフは思っている。

「基本がしっかりしていることが何よりも大切ですね。センスや感性だけではぜったい成り立たない。土台がしっかりしていなければ、その上にいい 家が建たないのと同じです」

“イケメンパティシエ”などといわれる外見とは違い、ひたむきに、地道に努力し続ける、頑固な職人魂が見えてくる。
●食べてみました
何ともいえないなめらかさ とコクを感じつつ、チーズそのものの味を堪能できる。ほのかなレモンの風味も絶妙なアクセント。レモンは直接チ−ズに加えず、底に敷いたアーモンドサブ レにレモンカスタードを塗ることで、チーズに与える酸のダメージを回避している。ああ、今日も幸せ。フロマージュ・クリュ380円。

●お取り寄せ情報
イタリア産のヘーゼルナッツやアーモンドを使った人気のヌガーやショコラ、くるみ入りクッキー、ハニー&オリジナル ハーブティーなどの詰め合わせ。中でもヌガー用のナッツ類は長時間かけ、ぎりぎりまでローストしているため、驚くほど香ばしい。シェフの自信作でもある。 ショコラ、コンフィズリーセット3650円前後(消費税・箱代込み、送料別)。
※ヌガーは量り売りのため、金額が多少前後する。
※スイーツの価格その他の情報は、掲載時のものですので、変更になっている可能性があります。 おそれいりますが、直接お店にお問い合わせください。
●パティスリー デフェール
神奈川県横浜市青葉区美しが丘
1−5−3
Tel:045-901-3911  
Fax:045-901-3155
(カフェ:19席)
〔営〕10:00〜20:00
〔休〕水曜日

撮影:岡山寛司  企画・取材・文:谷 あつこ(atfood食プランナー)
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