−谷 あつこの 会いたい、聞きたい&食べたい−

堀江 新さん

Shin Horie

ほりえ・しん 
1967年神奈川生まれ。
大阪あべの辻調理師専門学校卒。葉山 「フランス茶屋」、銀座「和光ケーキシ ョップ・ルショワ」を経て92年渡仏。ルクセンブルグ「オーバーワイス」、ベルギー「パティスリー・ダム」フランス 「エコール・ヴァローナ」などで修業。 帰国後、「ルショワ」のシェフパティシエを経て、01年東京・新宿区に「ラ・ ヴィ・ドゥース」オープン。新宿高島屋パティシェリアにも出店。

 
●07年3月号   
 堀江 新(下)
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おいしい!と喜んでもらうために



いちごを見ると、私の場合、ある童 話を思い出し苦笑してしまう。
名前は 思い出せないが、女王の命令で、真 冬の森を、春に咲くマツユキ草を探 して歩く話だ。
何年か前の秋、雑誌 の撮影用に生のいちごが必要になり、 探し回っていたとき、ふっといちご とマツユキ草が重なってしまった。

いちごがのっているショートケーキ は1年中見かけるので、いちごも簡 単に手に入ると安心していたところ、 国産の生のいちごは、秋の一時期だ けは市場に出回らないとわかり、途 方にくれた。
結局頼った先は、街の ケーキ屋さん。
農家と契約していた その店は、事情を話すとすぐさま分 けてくれた。
ありがたかったなぁ。

ガトーフレーズとショートケーキ

いちごを使ったスイーツを1年中お いてある店は多いけれど、イメージか らいえば、いちごにはやっぱり春が似 合う。
堀江シェフの店でも、3月の声 を聞くといちごを使ったスイーツが登 場し始め、最終的には10種類くらいに 増えるという。
その中で今回ご紹介す るのは「ガトーフレーズ」。

以前もお話ししたことがあるが、日 本でおなじみのショートケーキは、ヨ ーロッパにはないスイーツだ。
そのヨ ーロッパでショートケーキのような存 在なのが、ガトーフレーズだと堀江シ ェフはいう。
ただし、クリーム部分は 生クリームではなく、ピスタチオ風味 の“ムースリーヌ”でいちごをサンド している点が大きく違う。

ムースリーヌとは、バタークリーム とカスタードクリームを合わせたもの をいうが、バタークリームと聞いて、 にわかに「あの脂っぽくてまずい・・・」 と連想してしまった人も少なくないだ ろう。
35年くらい前までの日本では、 バタークリームが主流だったものの、 バターなどの品質は二の次で、悪い印 象が植えつけられてしまったからだ。

でも、上質のバターを使ったバターク リームはといえば、コクがありながら 口どけもよく、それはそれはおいしい。
ところで、堀江シェフはヨーロッパ 修業から戻り、数年後に自分の店を始 めるとき、ヨーロッパ的なガトーフレ ーズも、日本的なショートケーキも、 あえてどちらも出すことにした。

「日本でお店を開くのだから、本格 的な味を紹介しながらも、日本のお客 さんに喜んでもらう菓子を作ろう。そ れが僕の仕事だって思ったんです」

その気持ちは、5年たった今も変わ っていない。

菓子をつくる仕事という のは、自己満足のためやお金もうけの ためではなく、あくまでもお客さんに 食べてもらい、喜んでもらう。
そのた めに続けるのだと堀江シェフはいう。

今ベストの味でも、変えていく

ただ、いくらおいしいと喜んでもら っても、同じ味を出し続けてはいけな いとも思っている。
人から聞いた話だ そうだが、すごくおいしいと感じても、 しばらくして再び食べると、そうでも ないことがある。
それは、おいしかっ たという記憶が期待感を高めすぎるか らで、“記憶の増幅”というらしい。

「ですから、以前はこれがベストと 思った味でも、違うと感じたら、どん どん変えていこうと思っています」

●食べてみました
コクのあるムースリーヌ に、さらにピスタチオの ペーストの香ばしさまで 加わって、これがいちご の甘酸っぱさをうまくひ きたてている。スポンジ の間はホールいちご、ト ップはキューブ状いちご 満載で、いちご好きも大 満足。ああ、今日も幸せ。 ガトー・フレーズ420円

●お取り寄せ情報
“風味もコクも、全然違う”とシェフもお 薦めのスペイン産アーモンドプードルをた っぷり使って焼き上げた、ダクワーズ、フ ィナンシェ、マドレーヌ、ケーク・オ・フリ ュイ(フルーツケーキ)など、焼き菓子の詰 め合わせ。水はミネラルウォーター、バター は発酵バターのみを使用している。
焼き菓子詰め合わせ3150円 (消費税・箱代込み、送料別)
※上記のほかに2100〜10000円まで各種あり。
※スイーツの価格その他の情報は、掲載時のものですので、変更になっている可能性があります。 おそれいりますが、直接お店にお問い合わせください。
●パティスリー ラ・ヴィ・ドゥース
東京都新宿区愛住町23−14
ベルックス新宿ビル1F
Tel:03-5368-1160  
Fax:03-5368-1162
(サロン:6席)
〔営〕10:00〜20:00
(日曜・祝日は19:00まで)
〔休〕月曜日
http://www.laviedouce.jp/

撮影:岡山寛司  企画・取材・文:谷 あつこ(at food食プランナー)
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