−谷 あつこの 会いたい、聞きたい&食べたい−

永井紀之さん

Noriyuki Nagai

ながい・のりゆき 
1961年東京生まれ。
辻調理師専門学校フランス校卒。「オー・ ボン・ヴュー・タン」を経て83年渡仏。「ダニエル・ジロー」やパリの2つ星レ ストラン「ミシェル・ロスタン」、ジュ ネーブ「インター・コンチネンタル」等 で計6年間修業し、帰国。93年、東京・ 世田谷に「ノリエット」をオープン。96年に新宿高島屋店、03年、世田谷にビス トロ「ル・プチ・リュタン」をオープン。

 
●07年1月号   
 永井紀之(下)
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フランス菓子も文化も伝えたい



フランスには、日本のお正月行事や おせち料理にあたるものはないけれど、 新年を祝う食べ物といえば、「ガレッ ト・デ・ロア」と決まっている。
1月6日 のキリスト教の祝日「エピファニー」に ちなみ、昔から食べられてきた“王様 のお菓子”という意味のパイ菓子だ。
残念ながら、日本ではまだあまり知 られていないが、あちらではクリスマ スケーキの次に人気が高いスイーツで、 年が明けると一斉にパティスリーの店 頭を飾る。
永井シェフがかつて修業し ていた店でも、新年は決まってガレッ ト作りが仕事始めだったとか。

「1月いっぱいは店に並びますが、 この時期だけのお菓子なので、みんな 必ずといっていいほど食べるんじゃな いかな。店でも毎日たくさん焼いてい ましたし、僕自身も友達同士や仕事仲 間で集まっては、何度かみんなで食べ て盛り上がりましたね」

“フェーブ”が入っていたら王様に

実は“みんなで食べる”ところに、 ガレット・デ・ロアならでの楽しみが ある。
というのもこのスイーツ、絶対 に切り売りをしないため、ホールで買 ってみんなで切り分けて食べることに なるが、そこに仕掛けあり。
“フェー ブ”と呼ばれる小さな陶製の人形が一 つだけ中に隠されていて、食べるうち に、自分のガレットにそれが入ってい た人は、大当たり!「王様(女性の場 合は王妃様)バンザ〜イ!」と祝福さ れる。
冠をかぶり、その日の王様(王 妃様)としてふるまうことができ、1 年間をラッキーに過ごせるという。

平たく焼き上げるのが“ガレット”

ところで、ガレット・デ・ロアがどん なスイーツかといえば、基本はパイ生 地の中にアーモンドクリームを入れ、 円盤状に焼き上げたもの。
ただし、普 通のパイとはだいぶイメージが違う。

「パイといえば、ふちがふわっと浮 き上がり、ふくらんだ姿を想像すると 思うけど、ガレットはむしろふくらま せてはだめ。あくまでも薄く、平たく 焼き上げるものなんです」

材料も作り方もとにかくシンプルで 素朴な伝統菓子だという。・br> でも、だから こそ素材の良し悪しや焼き方で、味に 大きく差が出るスイーツではないだろ うか。

永井シェフの場合は、あくまで も伝統菓子の基本をふまえた上で、生 地もクリームもよりおいしく食べられ るように、自分なりのアレンジを加え ている。
たとえば、アーモンドはシチ リア産の皮付きを使用して、力強い味 わいを出し、さらにカスタードクリー ムを足すことで、よりしっとりしたア ーモンドクリームに仕上げている。
そ して何よりこだわるのが焼き方だ。

「普通に焼いたくらいでは、クリー ムとの境目の部分がまだ生焼けのこと も多いので、うちはしっかり中まで焼 ききっています。焼くというより、バ ターで香ばしく揚げる感じかな」

クリスマスと違い、ガレットを囲む 習慣は、フランスでも今や新年会にゲ ームを楽しむ感覚に近いらしい。
だと しても、伝統が途切れずに伝えられて いく様子には、かの国の底力を感じる。

「一つのお菓子の背景にも、しっか り受け継がれている文化がある。それ も一緒に伝えていきたいんです。


●食べてみました
中まで焼ききった生地は、サクッではなく、カリカリッとした食感が何とも香ばしい。 シンプルゆえに、小麦粉のおいしさやアーモンドの豊かな香りもしみじみ味わえる。決 してフェーヴ狙いの楽しさだけのスイーツではない。ああ、 今日も幸せ。ガレット・デ・ ロア2,600円(径23センチ)。
※ほかに、2,100円(径20センチ)もある。 ※1/2〜1/20頃まで、地方発送も可。
(消費税・箱代込み、送料別)

●お取り寄せ情報
100年以上昔から作られ、食べ続けられて いる伝統菓子のコンフィズリーの中から、 ふんだんにナッツを使ったヌガーと、きい ちご、カシス、洋梨などさまざまな味のパ ート・ド・フリュイの詰め合わせ。フラン スでは、午後のお茶の時間に生菓子よりむ しろこういうものをつまむ方が一般的。 コンフィズリー詰め合わせ(パート・ド・ フリュイ10個、ヌガー5個)計15個入り 1,920円(消費税・箱代込み、送料別) ※計10個入り1,315円、計20個入り2,525円もある。 ※パート・ド・フリュイ・・・ゼラチンを使わず、 果物のペクチンと砂糖だけで果汁を固めたゼリー。
※スイーツの価格その他の情報は、掲載時のものですので、変更になっている可能性があります。 おそれいりますが、直接お店にお問い合わせください。
●パティスリー ノリエット
東京都世田谷区赤堤4−40−7
グリンヴィル1F
Tel:03-3321-7784  
Fax:03-3321-9884
(サロン:8席)
〔営〕9:00〜19:00
〔休〕水曜日
http://www.noliette.jp/

撮影:岡山寛司  企画・取材・文:谷 あつこ(at food食プランナー)
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