−谷 あつこの 会いたい、聞きたい&食べたい−

高木康政さん

Yasumasa Takagi
たかぎ・やすまさ 
1966年東京生まれ。 辻調理師専門学校フランス校卒。「マルメゾン」「ホテル西洋銀座」を経て渡欧。各地の有名店で3年間修業する間に、洋菓子コンクーで優勝(日本人最年少)。帰国後、「レ・サヴール」の シェフパティシエを経て、2000年、東京・駒沢に「ル パティシエ タカギ」 をオープン。現在5店舗を展開中。
 
●06年8月号   
 
高木康政(上)
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おいしい笑顔を増やしたい


“泡”と聞いて連想するものがいく つかある。
夏らしいビールの泡や石け んの泡。
子供のころを思い出すしゃぼ ん玉。
手にしたくないのはバブルマネ ー。そして食べたくなるのが、ふわっ としたスイーツ「ムース」である。

フランス語で“泡”という意味をも つムースは、冷凍技術の発達によって 作ることが可能になった近代スイーツ。
ベースになるものに、卵白を泡立てた メレンゲや、泡立てた生クリームなど の“泡”を混ぜ入れたものだ。

“泡”がおいしさのかなめ要になる

まさにこの泡によっておいしさやふ んわり感がつくられるので、混ぜ方に は注意が必要だと、高木シェフはいう。

「大事なのは、まず温度ですね。混ぜ るとき、どれか一つが熱すぎてはだめ。 分離してしまい、なめらかさが出なく なる。かといって冷たすぎると、今度 はダマになってしまうんです」

もう一つ大事なことはバランスだそ うだ。
ムースはすっきり軽く食べるも の。
今日のカムカムやマンゴーのよう に、フルーツと組み合わせることも多 いので、それらの香りがしっかり立つよ う、生クリームはあえて高脂肪でない ものを使うべきだという。

「ムースに使う生クリームは、あくま でも脇役じゃないといけないんですよ」

挫折続きの日々から、優勝へ

大きなオーヴンのあるキッチンから はバターの甘い香り。
母がよくおやつ にケーキを焼いてくれ、9歳のときに は、すでに一人でマドレーヌを焼いた。
こんな環境で育った高木シェフが、パテ ィシエの道を目指したのはごく自然の 成りゆきだったのかもしれない。

 しかも、ヨーロッパ修業の間には、最 も権威ある洋菓子コンクール「ガストロ ノミック・アルパジョン」のあめ飴細工部門 で見事優勝したのである。
そんなプロ フィールを見る限りでは、環境にも才能に も恵まれ、何の苦労もなく今の地位を手 に入れた人に思える。

ところが意外にも、かつての彼は中途 半端な挫折続きだったという。
高校時代 までは野球少年だったが、甲子園の目前 でやめてしまう。
その後、パティシエにな りたい気持ちが芽生えるが、両親からは 反対され続け続ける。
ようやく調理師学校 へ入学したものの、研修で訪れたフラ ンスでも挫折感を味わって帰国したの である。

けれども、高木シェフはそこで終わら なかった。
日本でみっちり修業して技術 を磨き、再度ヨーロッパへ。
今度は自力 でその国や人の中に飛び込んだ。

「それでも毎日大変でしたけど、自分 で選んだことだから、今やらなきゃ、き っと後悔する。今度こそ挫折したくな い。そう思ってがんばりましたね」

精神的にもタフになり、パティシエと して目指すものも見えてきたころ、コン クール優勝という“逆転3ランホーム ラン“を成し遂げた。

高木シェフのスイーツは、パッと目を 引く色遣いや華やかなデザインが多 い。
このムースも南国の太陽のように、 ひときわ明るく、落ちこんだ気分など はね返してくれそうな気がしてくる。

「おいしいと笑顔になる。元気が出 て、人にもやさしくなれるでしょう。 そんなお菓子を作り続けたいんです」

 

●食べてみました

注目のカムカムと石垣島の 農家製マンゴーで3層にな ったムースは、エキゾチッ クな南国の風味たっぷり。 一口食べた瞬間、舌の上で スッとやさしく溶け、フル ーツの香りと酸味が口中に 広がる。甘すぎず、酸っぱ すぎず、絶妙のバランス。 ああ、今日も幸せ。 カムカム493円
※カムカムはアマゾン川上流で近年発見されたフルーツで、ビタミンC含有量がレモンの約60倍!というスーパーフルーツ。


●お取り寄せ情報
香りもコクもある完熟フルーツを使用 した、今春新発売の果汁100%ゼリー。 ふるふるの食感は、ゼリーというより ジュレに近く、みずみずしいフルーツ そのものを味わうようなイメージ。 フルーツゼリー詰め合わせ/10個入り (ライチ、フレーズ、グレープ、オレン ジ、パッションの5種×各2)2,835円 (消費税・箱代込み、送料別)
※スイーツの価格その他の情報は、掲載時のものですので、変更になっている可能性があります。 おそれいりますが、直接お店にお問い合わせください。
●ル パティシエ タカギ
東京都世田谷区深沢5-5-21
Tel:03-5758-3393  
Fax:03-5758-3918
〔営〕10:00〜19:00
〔休〕水曜日
http://www.lplctakagi.jp/

撮影:岡山寛司  企画・取材・文:谷 あつこ(at food食プランナー)
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