−谷 あつこの 会いたい、聞きたい&食べたい−

川村英樹さん

Hideki Kawamura

かわむら・ひでき 
1971年新潟生まれ。89年東京プリンスホテル入社。修業中、国内外のコンクールで入賞。中でも97年クープ・ド・フランス世界大会で日本人初の総合優勝。00年渡仏。ブルターニュの「グランドホテル・テルメスマリーン」で修業。同年アルパジョン・ガストロノミックコンクールのショコラ部門優勝。01年帰国。東京・吉祥寺に「アテスウェイ」オープン。

 
●08年3月号 
  川村英樹(下)
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川村シェフ(上) 川村シェフ(下) ピエール・エルメ(上) ピエールエルメ(下) 中川シェフ(上) 中川シェフ(下) 山本シェフ(上) 山本シェフ(下) 長島シェフ(上) 長島シェフ(下) 安食シェフ(上) 安食シェフ(下) 堀江シェフ(上) 堀江シェフ(下) 永井シェフ(上) 永井シェフ(下) 柳シェフ(上) 柳シェフ(下) 高木シェフ(上) 高木シェフ(下)
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人を喜ばせるために作る


明日から旅行というとき、友人にかけ られた言葉が

「ボン・ボワイヤージュ! (よい旅をね)」。

フランス語の堪能な 人なので発音も抜群だったが、なんて 心地いい言葉だろうと思ったのを覚え ている。

ナイストリップやジャーニー などと違う印象を受けたのも、フラン ス語というだけではない気がする。
も ともとボワイヤージュは船旅から出た 言葉なので、ゆったりした長旅の響き が感じられたのかもしれない。
といい ながら、結局はその旅も1週間足らず の急ぎ旅。
ずっとあこがれているもの の、長旅はいまだ実現していない。

もっとも思い出に残るスイーツ

フランスに「ガトー・ド・ボワイヤー ジュ(旅行用の日持ちするお菓子)」と 呼ばれるものがある。
旅のお供に持っ ていくスイーツといわれても日本人に はピンとこないが、ヨーロッパの場合、 電車や車で次々と違う国々に行けるう え、長期滞在型の休暇をとる人も多い ので、そんな国ならではのものなのだ ろう。
そしてこれこそ、川村シェフに とってはもっとも思い出に残るスイー ツなのである。

洋菓子店の長男として育った川村シ ェフはパティシエを目指して上京。東 京の有名ホテルに就職でき、まわりか ら見れば順風満帆な滑り出しだった。

「実際は、入社後3〜4年は何をやっ てもカラ回りの連続でした。でも、あ る時先輩から少しだけ認められたんで す。これが大きな自信となり、以後や る気が出て頑張りました」

その結果、部内でも頼られる存在に なったが、10年目を過ぎて転機が。思 いきってフランスへ行く道を選んだ。

夢や希望は、きっとかなうもの

ブルターニュでの新しい経験は、彼に さまざまな変化をもたらした。
有塩バ ターを使うこの地方独特のスイーツの 個性や魅力。修業先のシェフの考え方 や、バイタリティあふれる仕事ぶり。
それらを通じ、「人を喜ばせるために作 る」というパティシエの本質に目覚め、 いずれは自分の店で自分らしいスイー ツを作りたいという夢も芽生えた。

そんな時、満を持して臨んだコンク ールのテーマが“ガトー・ド・ボワイヤ ージュ”だった。
最初は思うように進 まなかったが、あるときふっと浮かんだ のが、ガトーショコラの中にそのまま ショコラを入れた形。
これだ!と思い、 目指す形は決まったものの、それから が大変だった。
失敗の繰り返しで、完 成までの試作ノートは3冊にも及ん だ。
そのかいあって、見事に優勝。

「結果はあくまでもあとからついて くるもの。目標へ向かって1つ1つ着 実に進めば、夢や希望はきっとかなう ものだと思いました」

思い出のスイーツは、自身のスペシ ャリテとして、自分の店をもったとき からずっと焼き続けている。

中心はピ スタチオやアーモンドなどのナッツ類 を入れたショコラのガナッシュ、外側 をショコラ生地で囲んでおり、全体の 4割もがショコラでできているという。
できあがりまで3日もかかるとい う旅のお菓子を1つ1つ焼きながら、 川村シェフはこれからもパティシエと いう長旅を進み続けることだろう。

「ボン・ボワイヤージュ!」

●はみ出し情報 その1 !!
●はみ出し情報 その2 !!

●食べてみました
しっとり焼き上がったショ コラ生地!表面にまぶした カカオ粒がシャリシャリッ と感じられる。内側は香ば しいナッツ類の入ったショ コラのガナッシュ。シェフ のお薦め通り、7〜8mmに 薄く切り、常温に戻して食 べたら、ショコラの風味も さらに増し、まろやかにと ろけた。ああ、今日も幸せ。 ガトー・ド・ボワイヤージュ・ オ・ショコラ 大(18cm) 3500円、小(12cm)2650円。 ※こちらもお取り寄せ可能。

●お取り寄せ情報
口の中でゆっくりころがせば、やさしい甘 みの中に微妙な塩味がきいた、手作りの 塩バターキャラメル。ピスタチオ味、フラ ンボワーズ味、バニラ味のほか、黒ごま 味や白ごま味など、どれもあとを引くお いしさ。全9種を透明ケースに並べたギ フトセットはホワイトデーにもお薦め。 キャラメル詰め合わせ(9個入り)1500 円(消費税・ケース代込み、送料別)。
※スイーツの価格その他の情報は、掲載時のものですので、  変更になっている可能性があります。  おそれいりますが、直接お店にお問い合わせください。
●パティスリー アテスウェイ
東京都武蔵野市吉祥寺東町3-8-8 カサ吉祥寺2 Tel:0422-29-0888  Fax:0422-29-0877  〔営〕11:00〜19:30 〔休〕月曜日 http://www.atessouhaits.co.jp/

撮影:岡山寛司  企画・取材・文:谷 あつこ(at food食プランナー)
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