−谷 あつこの 会いたい、聞きたい&食べたい−

金子美明さん

Yoshiaki Kaneko
かねこ・よしあき 
1964年千葉生まれ。 15歳の時「ルノートル」に入社。その 後、代官山のレストラン「ル・プティ・ ブドン」のシェフパティシェを経て99 年渡仏。パリの「ラデュレ」「アルノー・ ラエール」「ル・ダニエル」やレストラ ン「アランデュカス」などで腕を磨き、 帰国。03年6月、東京・自由が丘に「パ ティスリーパリセヴェイユ」をオープン。
 
●06年6月号   
 
金子美明(上)
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お菓子に託して伝えたいもの


お菓子に託して伝えたいもの

スイーツ名がどんどん難しくなっ ている。
ミルフィーユやシブースト、 クレームブリュレはまだいい方で、 オンクチューズ・シヴァラ・ラクテ なんて名前ともなると、覚えられな いどころか、最初から何かの呪文に しか思えない。
さらに、難しい名前 に比例して、見た目だけではどんな 味か想像がつかないものも多い。

その点、みんなが知っていて、見 かけも味も大変わかりやすいのがシ ュークリームだろう。
シューパリジ ャンというオシャレな名前がついて いようと、丸っこくふくらんだ皮の 中にクリームが詰まっているところ はどれも同じ。
すぐに見分けがつく。

ただ、おいしいかどうかの評価に なると、こういうおなじみのスイー ツほど、かえって厳しくなる気もす る。
作る側にしても、シュー皮とク リームだけというシンプルな構成で、 どこにこだわり、どこで自分らしさ を出すのかは難しいところだろう。

自分のシュークリーム

実は、日本でいうシュークリーム はフランスではあまり見かけない。
よくあるのはエクレール(エクレア) やシュケット(クリ−ムの入らない 気軽なシュー菓子)だ。
が、珍しく パリの人気パティスリーDには以前 からあって、それが大好きだった金 子シェフ。
だからフランスでの修業 を終え、帰国して自分の店をもつこ とになった時、シュークリームは必 ず作ろうと決めていた。

金子シェフはまず、ざっくりした 感じのハードなシュー皮をイメージ した。
焼きたてはカリッとしていて も、中にクリームを詰めた瞬間から カウントダウンが始まってしまうの がシュー皮の弱点だ。
持ち帰ってか ら食べる時間を考えると、できるだ け長くいい状態を保ちたい。
そこで、

「焼き始めの5分は210℃の高温で、 その後すぐに150℃の低温まで下げ、 じっくり1時間かけて、しっかりし た皮を焼こうと思いました」

クリームは軽さとなめらかさを出 すためにも、カスタードに生クリー ムを2割加えた。
バニラビーンズを たっぷり使い、量もたっぷり詰めた。
クリームは空気に触れるとどうして も乾燥するので、シュー皮の上方を 開かず、底から詰めることにした。
こうして自分のシュークリーム、 「シューパリジャン」が生まれた。

誰よりも自分がスイーツファン

フランス菓子の心や長い文化を、 自分の作る菓子に託して伝えたい。
その思いは昔から変わっていない。

「フランスへ行く前は、どんな味 にすればお客さんが喜んでくれるの か、正直迷った時期もありましたが、 自分が自信をもっておいしいと思え るものを作ろうという気持ちになり、 ふっきれました」

中学生の時、偶然本屋でめぐり合 った1冊の本がきっかけでフランス 菓子にひかれ、パティシエの道に飛 び込んだ。
そんな金子シェフ自身、 いい作り手であると同時に、誰より もスイーツファンであり、おいしい ものに感動する気持ちをずっと持ち 続けたい、そう思っているのだ。

●食べてみました
低温でじっくり焼き上げた シュー皮は、カリッと香ば しく、上にふりかけたアー モンドとグラニュー糖の食 感も楽しい。中のカスター ドクリームはコクがありな がらもしっとりなめらか。 量もたっぷり入っているの で食べごたえもあり、充実 感いっぱい。持ち帰ったら、 できるだけ早く食べよう。 ああ、今日も幸せ。 シューパリジャン262円

●お取り寄せ情報
濃厚なショコラと白イチジク、オレンジ コンフィが絶妙のバランスのチョコレー トケーキと、ドライフルーツやナッツを ふんだんに織り込んだフルーツケーキ。 パウンドケーキセット/ケーク・オ・シ ョコラ2100円、ケーク・オ・フリュイ 2300円、箱代210円、計4,610円(消費 税込み、送料別)
※ケーキは1本から取り寄せも可。
※スイーツの価格その他の情報は、掲載時のものですので、変更になっている可能性があります。 おそれいりますが、直接お店にお問い合わせください。
●パティスリー パリセヴェイユ
東京都目黒区自由が丘2-14-5
館山ビル1F
Tel:03-5731-3230  
Fax:03-5731-3235
〔営〕10:00〜20:00
〔休〕無休
http://gioire.com/
※店内に併設のカフェは24席ある。

撮影:岡山寛司  企画・取材・文:谷 あつこ(at food食プランナー)
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