−谷 あつこの 会いたい、聞きたい&食べたい−

中川二郎さん

Jiro Nakagawa

なかがわ・じろう 
1961年和歌山生まれ。 81年東京製菓学校卒。東京「東京カド」などで修業後、91年から東京製菓学校に勤務。 研修で渡仏。菓子学 校「ベルエ・コンセイユ」で学び、パリ「ジェラール・ミュロ」「ピエー ル・モデュイ」などで修業。 帰国後は 洋菓子科教師。 99年ジャパン・ケー キ・グランプリ優勝。03年練馬区に「キャロリーヌ」をオープン。05年から目白大学製菓学科教授も兼務。

 
●07年11月号     
中川二郎(下)
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おいしさへ、食材と温度を究める


洋菓子作りによく使われる食材というと、まず思い浮かぶのは小麦粉とバ ターや生クリームなどの乳製品だが、 実はフルーツも欠かせない食材だ。
上 にのせたり、中に入れたりはさんだ り、コンフィチュール(ジャム)にして塗るなど使用頻度も高いため、パティシエたちはそれぞれフルーツに対し てこだわりをもっていることが多い。

中川シェフの場合、フランス研修中 の1年間、先輩からの助言もあって、 “毎日フルーツを食べること”を日課 にした。
菓子作りに使う食材は工業製 品とは違い、すべて自然が生み出す農 産物。
実際に食べて、深く知らなければおいしいスイーツは作れない。
そう気づいたからで、それには生ものでも あるフルーツがぴったりだった。

舌に記憶させ続けた1年間

「毎日食べ続けることで、産地や季節によって味がどう違うのか、克明に舌に記憶させようと思いました」

“舌の記憶”のおかげで、スイーツ に向くフルーツの味や、季節、産地による変化も的確に把握できるようになった。
たとえばリンゴなら、果肉がギ ュッと詰まって硬く、しっかりした酸味と風味のあるものが最適だそうだが、 そんなりんごを選ぶ力と、時期によっては産地を変え、レシピを変えることでおいしさを維持する力も備わった。

一方、フランスでリンゴの産地とい えばノルマンディー地方。
フランス研修時代の菓子学校教師で、友人でもあるパティシエがこの地出身だった関係で、 よく訪れた地方だという。
そんな彼の影響もあって、中川シェフ自身もリンゴやリンゴを使ったスイーツには、人一倍思い出も、思い入れも深くなった。

今、中川シェフの店にリンゴを使っ たスイーツは最低でも4〜5種類あるが、その一つが写真の「アメリ」であ る。
リンゴの風味にぴったり合う中国 緑茶をバタークリームやスポンジに用 いているオリジナルスイーツだ。

「研修時代にベルギーを旅して、おいしいバタークリームと出合ったことも、このスイーツを作るときのヒントになりました。そうそう、バタークリームは冷えすぎていない方がおいしいんですよ。ぜひおいしい温度で食べてみてください」

スイーツにはそれぞれ食べごろの温度があるという。
ムース類は冷えてい た方がいいが、タルト類は常温がおい しい。
バタークリームを使ったものは、冷蔵庫から出して5分くらいおく と、なめらかさも出ておいしいそうだ。

菓子名も店も親しみやすく

ところで、スイーツ名には珍しいのが「アメリ」というネーミング。
由来を うかがうと、やはり同名の映画に登場するちょっと不思議な女のコの名前だ った。
そういえばこの店には、コレット、シルヴィ、セシルなどフランスの 女の子の名をつけたスイーツが圧倒的 に多い。
舌をかみそうな名前より、親 しみやすく覚えやすい名にしようと、 中川シェフが自分で命名しているとか。
“親しみやすさ”は、シェフの目指す 店のイメージとも重なっている。

「それこそサンダルばきで気軽に通ってもらえる、あったかくて日常的な お菓子屋が理想なんです」

●食べてみました
ともに中国緑茶を用いてい るバタークリームとスポン ジの層が、りんごのコンポ ートと不思議なほどマッチ して、どこまでもやさしい。 スポンジ表面の刻んだクル ミの香りや食感も、これま たリンゴと相性がいい。そ れにしても、なめらかで口 どけのいいバタークリーム っておいしいなぁ。 ああ、今日も幸せ。 アメリ367円。

●お取り寄せ情報
キャラメルと生クリームをたっぷ り使って焼き上げた「ストロップカ ラメル」。中にはキャラメルと相 性抜群の桃入り。桃はドライタイ プだが、ねっとり軟らかめが特徴 だ。しっとりチョコレート味の「ス トロップショコラ」は、木イチゴと イチジク入り。
パウンドケーキセット3570円 (消費税・箱代込み、送料別)
※スイーツの価格その他の情報は、掲載時のものですので、変更になっている可能性があります。おそれいりますが、直接お店にお問い合わせください。
●パティスリー キャロリーヌ
東京都練馬区春日町6-10-28
Tel&Fax:03-3926-0711 
〔営〕10:00〜19:30
〔休〕水曜日
http://www.patisserie-caroline.com/

撮影:岡山寛司  企画・取材・文:谷 あつこ(at food食プランナー)
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